南山士雲(読み)なんざん・しうん

朝日日本歴史人物事典 「南山士雲」の解説

南山士雲

没年建武2.10.7(1335.10.24)
生年:建長6(1254)
鎌倉時代の臨済聖一派の僧。聖一派の2大門派のひとつである荘厳門派を興し,純粋禅を挙揚した。遠江(静岡県)の人。円爾について出家,大休正念,無学祖元に歴参してのち東福寺に戻り,円爾から無準師範より伝わる法衣を授けられた。永仁5(1297)年,博多の承天寺の住持となり,延慶3(1310)年には東福寺の第11世となった。鎌倉崇寿寺を開き,建長寺,円覚寺などの五山にも住した。密教の伝法灌頂堂であった東福寺荘厳蔵院を自分の塔所(墓所)に改め退居,このころより,東福寺で密教が修せられなくなったという。<著作>『南山和尚語録』<参考文献>竹庵大縁『南山和尚行実』

(石井清純)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「南山士雲」の解説

南山士雲 なんざん-しうん

1254-1335 鎌倉時代の僧。
建長6年生まれ。臨済(りんざい)宗。京都東福寺の円爾(えんに)の法をつぐ。徳治(とくじ)2年北条貞時の招きで鎌倉にうつり東勝寺,東福寺,建長寺などの住持をつとめ,崇寿寺をひらいた。のち筑前(ちくぜん)(福岡県)承天(じょうてん)寺の住持となる。建武(けんむ)2年10月7日死去。82歳。遠江(とおとうみ)(静岡県)出身。著作に「南山和尚語録」。

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