朝日日本歴史人物事典 「南山士雲」の解説
南山士雲
生年:建長6(1254)
鎌倉時代の臨済宗聖一派の僧。聖一派の2大門派のひとつである荘厳門派を興し,純粋禅を挙揚した。遠江(静岡県)の人。円爾について出家,大休正念,無学祖元に歴参してのち東福寺に戻り,円爾から無準師範より伝わる法衣を授けられた。永仁5(1297)年,博多の承天寺の住持となり,延慶3(1310)年には東福寺の第11世となった。鎌倉崇寿寺を開き,建長寺,円覚寺などの五山にも住した。密教の伝法灌頂堂であった東福寺荘厳蔵院を自分の塔所(墓所)に改め退居,このころより,東福寺で密教が修せられなくなったという。<著作>『南山和尚語録』<参考文献>竹庵大縁『南山和尚行実』
(石井清純)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報