徳治(読み)トクジ

デジタル大辞泉 「徳治」の意味・読み・例文・類語

とくじ〔トクヂ〕【徳治】

鎌倉後期、後二条天皇花園天皇の時の年号。1306年12月14日~1308年10月9日。

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精選版 日本国語大辞典 「徳治」の意味・読み・例文・類語

とく‐ち【徳治】

  1. [ 1 ] ( 「とくぢ」とも ) 有徳王者が国を治めること。→徳治思想
    1. [初出の実例]「徳治(トクヂ)法治分別よくよく得心あるべし」(出典翁問答(1650)上末)
  2. [ 2 ]とくじ(徳治)

とくじトクヂ【徳治】

  1. 鎌倉時代、後二条・花園両天皇の代の年号。嘉元四年(一三〇六)一二月一四日に改元、徳治三年(一三〇八)一〇月九日に次の延慶(えんきょう)となる。出典は「書経‐皐陶謨」の「俊乂在官」の注「俊徳治能之士、並在官」および「春秋左氏伝‐僖公三三年」の「能敬必有徳、徳以治民」。

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普及版 字通 「徳治」の読み・字形・画数・意味

【徳治】とくち

徳を以て治める。〔左伝、僖三十三年〕の聚なり。能くあらば必ずり。以て民を治む。君ふ、之れを用ひよ。

字通「徳」の項目を見る

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日本の元号がわかる事典 「徳治」の解説

とくじ【徳治】

日本の元号(年号)。鎌倉時代の1306年から1308年まで、後二条(ごにじょう)天皇の代の元号。前元号は嘉元(かげん)。次元号は延慶(えんきょう)。1306年(嘉元4)12月14日改元。天災の凶事を断ち切るために行われた(災異改元)。『尚書注疏(しょうしょちゅうそ)』(『書経(しょきょう)』)『春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)』『後魏書(こうぎしょ)』などを出典とする命名。徳治年間の鎌倉幕府将軍は久明(ひさあきら)親王(8代)、守邦(もりくに)親王(9代)、執権は北条師時(もろとき)(10代)。1308年(徳治3)、後二条天皇は病気で急逝した。当時は、大覚寺統(だいかくじとう)と持明院統(じみょういんとう)との間で皇位継承をめぐる対立が続いていた。

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世界大百科事典(旧版)内の徳治の言及

【徳治主義】より

…徳による政治を行うのは君主であるため,これは同時に君主みずからに徳を要求することになる。また徳治を具体的に表すのは礼楽による政治であり,その礼楽は君主が制作するもので,君主の徳の表象にほかならない。徳による政治は儒家の基本的主張であるが,儒家は刑罰を否定したわけではない。…

※「徳治」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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