南鐐二朱銀(読み)なんりょうにしゅぎん

改訂新版 世界大百科事典 「南鐐二朱銀」の意味・わかりやすい解説

南鐐二朱銀 (なんりょうにしゅぎん)

江戸時代貨幣。1772年(明和9。同年11月安永と改元)9月に発行明和二朱銀と,1824年(文政7)2月発行の文政二朱銀とを総称していう。〈南鐐〉は良質の銀を意味しており,江戸時代の南鐐銀貨には上記の2種類のほか文政南鐐一朱銀(1829発行)がある。江戸時代の主要な銀貨は秤量貨幣で,定位貨幣の金貨とは異なるが,南鐐二朱銀は定位貨幣で二朱銀の表面に〈以南鐐八片換小判一両〉と明示され,二朱銀8枚が1両に相当した。
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「南鐐二朱銀」の解説

南鐐二朱銀
なんりょうにしゅぎん

1772年(安永元)から鋳造・発行された上質の二朱銀。南鐐は上質銀を意味し,品位は98%前後。一般に72年発行の二朱銀をさすが,二朱銀は文政期・安政期に改鋳され,とくに文政二朱銀は品位は不変だったので,文政二朱銀までを含める場合も多い。初鋳時の通用銀品位が46%だったのに対し,上銀であることを強調し,南鐐が付加されたらしい。金貨本位制度を意図する幕府が金代わり通用の銀貨としてはじめて発行したもので,当初は額面相当の含有素材価値の低さから流通が滞ったが,小額貨幣の便利さからこの種の計数銀貨は流通貨幣主流となった。

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百科事典マイペディア 「南鐐二朱銀」の意味・わかりやすい解説

南鐐二朱銀【なんりょうにしゅぎん】

江戸時代の貨幣。元来,〈南鐐〉は銀の美しいものをいう。明和9年(1772年)発行の明和二朱銀と,文政7年(1824年)発行の文政二朱銀の総称。二朱銀は銀1両の8分の1。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「南鐐二朱銀」の意味・わかりやすい解説

南鐐二朱銀
なんりょうにしゅぎん

二朱銀」のページをご覧ください。

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