朝日日本歴史人物事典 「印融」の解説
印融
生年:永享7(1435)
室町・戦国時代の真言宗の僧。武蔵国久良岐郡久保(神奈川県)の出身。幼くして高野山に登り,無量光院に住む。関東東密(東寺密教)の衰微を憂いて東行し,武蔵国鳥山(神奈川県)三会寺に住んだ偉材と伝えられる。長禄3(1459)年に鳥山三会寺の賢継から法を受け,醍醐流を究めるとともに,長円,円鎮から西院流能禅方の奥義を学ぶ。85歳で没したが,その徳風は永く関東の僧に慕われ,古義関八州の談林60院余では,毎年,師の肖像をかけて供養したという。また,印融を以って中興開山とする寺院も多く,さらには多くの著書も残し,関東東密における影響と功績は絶大である。弟子に是融,覚融がいる。弘法大師の再来とも崇められた。<参考文献>伊藤宏見『印融法印の研究』伝記編
(井野上眞弓)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報