即自的階級(読み)そくじてきかいきゅう(その他表記)Klasse an sich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「即自的階級」の意味・わかりやすい解説

即自的階級
そくじてきかいきゅう
Klasse an sich

K.H.マルクス用語資本主義的生産様式下において,体制的に規定された利害対立を根にもち,生活の全面にわたる差別状態のもとにある人々は,資本に対する賃労働という意味で階級を形成する。しかし,この段階の階級は,まだみずからの階級的地位や階級的利害について自覚した階級ではない。マルクスはこの種の階級を即自的階級と呼んで,それより高次の階級,つまり自覚段階に達した対自的階級と区別している。階級がその利害の共同を意識し,組織のもとに団結して階級闘争を行うまでになったときに,初めて真の自覚した階級が成立すると考えるわけである。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「即自的階級」の意味・わかりやすい解説

即自的階級
そくじてきかいきゅう
Klasse an sich ドイツ語

マルクスの用語。対自的階級Klasse für sich(ドイツ語)と対概念をなす。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の即自的階級の言及

【階級意識】より

…階級に階級としての使命があり,したがって目標があることを自覚すれば,それは目標を実現するための方法や手段あるいは戦略や戦術について考え,実際に展望をもって行動するようになるであろう。マルクスとエンゲルスは,このように成熟した階級意識をもつものを対自的階級Klasse für sichと呼び,これにたいして階級意識形成の初期段階にあるものを即自的階級Klasse an sichと呼んだ。 しかし,いずれにしても現実の資本主義社会では〈階級意識〉は自生的に形成されない。…

※「即自的階級」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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