厚沢部(読み)あっさぶ

改訂新版 世界大百科事典 「厚沢部」の意味・わかりやすい解説

厚沢部[町] (あっさぶ)

北海道南西部,檜山支庁檜山郡の町。人口4409(2010)。松前半島の基部にあたり,西流して日本海に注ぐ厚沢部川の集水域を町域としている。総面積の8割は国有林を主とする森林で,耕地は狭い。厚沢部川とその支流の谷床は比較的広く,水田が開け,内陸部には緩傾斜台地が広がり,畑作が行われ,豆類,バレイショ,テンサイなどが作付けされている。天正年間(1573-92)以降俄虫(がむし),目名,安野呂(あんのろ),赤沼,土橋の村落が順次開け,江戸時代はヒノキの中心産地であった。鶉(うずら)川上流のゴヨウマツ自生地は,日本海側の自生北限地として天然記念物に指定されている。道指定の史跡館城跡は,厚沢部川中流部の高台にあり,五稜郭の戦古戦場で,松前城を退いてここに拠った松前藩軍は榎本武揚軍の攻撃に敗走し,その陣屋は焼き払われた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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