原始惑星系円盤(読み)ゲンシワクセイケイエンバン(その他表記)protoplanetary disk

デジタル大辞泉 「原始惑星系円盤」の意味・読み・例文・類語

げんしわくせいけい‐えんばん〔‐ヱンバン〕【原始惑星系円盤】

恒星誕生の前段階にあたる牡牛座T型星周囲にある濃いガスちりからなる円盤原始星円盤名残であり、円盤の中では直径10キロメートル程度の微惑星が形成され、衝突合体を繰り返して原始惑星惑星に進化すると考えられている。また、太陽系の場合は原始太陽系円盤と呼ばれる。原始惑星系星雲。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「原始惑星系円盤」の意味・わかりやすい解説

原始惑星系円盤
げんしわくせいけいえんばん
protoplanetary disk

惑星形成過程の初期に現れる円盤構造。恒星は星間雲のなかにある十分密度が濃い分子雲コアが自己重力により収縮して生成されるが、その収縮の際に、大きな角運動量をもつガスと塵(ちり)は、収縮する中心(原始恒星)へたどり着けずに原始恒星の周りに円盤(直径2000天文単位程度)を形成する。これが原始惑星系円盤であり、1000万年程度をかけて、この円盤内で塵が集積して、微惑星、そして惑星へ成長すると考えられている。これらの原始惑星系円盤は、形成過程初期の星である「おうし座Tタウリ型星」の周りで発見されつつある(がか座β(ベータ)星やオリオン星雲、おうし座HL星など)。

[編集部 2023年10月18日]


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