化学辞典 第2版 「原子発光分光分析法」の解説
原子発光分光分析法
ゲンシハッコウブンコウブンセキホウ
atomic emission spectrometry
略称AES.アークやスパークなどの電気的放電,炎または高周波誘導結合プラズマ(ICP)中で生成させた励起原子,または励起原子イオンから発する発光の波長を測定し,元素の定性・定量分析する原子分光分析の一方法.原子からの発光を元素分析に利用することは,1860年,G.R. KirchhoffとR. Bunsen(ブンゼン)によるフレーム発光分析までさかのぼることができるが,再現性に問題があった.1965年,V.A. Fassel,S. Greenfieldが導入した,ICPを用いた原子のイオン化と安定な発光状態の確立により,再現性よく定量できるようになった.ICP発光分光分析法は微量元素分析の主役で,C,H,N,O,Br,Cl,F,I,P,Si,S,As,Fe,Pb,Hg,Ni,Se,Sn,Vなど微量(ppbオーダーから0.1% オーダー)の元素を高精度で測定できる.[別用語参照]ICP質量分析
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報