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原子空孔 げんしくうこうatomic vacancy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

原子空孔
げんしくうこう
atomic vacancy

格子欠陥の一種で,結晶格子に存在すべき原子がその位置から欠落している状態。1個欠落のときは空格子点というが,2個以上,あるいはかなり多数の原子が欠落してボイド (集合空孔) をつくることもある。また格子に余分の原子が入る格子間原子と原子空孔が対をなして存在する場合もある。1空孔の形成エネルギーは金属の種類によるがだいたい 1eV程度,格子間原子はその数倍で,したがって結晶内には空孔のほうがずっと多く,高温では 10-6 の密度で存在するし,変形する結晶内では転位線の交切によっても発生する。その場合はそれだけ形成エネルギーを消費するから転位は動きにくくなり,結晶の硬化の原因になる (→加工硬化 ) 。原子空孔は結晶内で隣の原子と位置を交代しつつ移動するので,それにより異種原子の結晶内への侵入拡散を誘発する (→カーケンドール効果 ) 。その効果は温度が高いほど大きい。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

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