原釜湊(読み)はらがまみなと

日本歴史地名大系 「原釜湊」の解説

原釜湊
はらがまみなと

[現在地名]相馬市原釜

原釜村北東の字大津おおつの浜に、小湾の形をなして存在した。きた湊ともいう。現在は相馬港の一部となっている。江戸期の東廻航路の湊として知られ、「奥相志」に「北湊又原釜港と曰ふ。新沼浦の海口なり。仙台領界海口相馬の地にあり。海口の広さ十間深さ四尺、浅深時変あり、空船出入す」とある。明治九年(一八七六)の調べでは、東西約一〇町・南北二〇町、深潮二丈四尺余、干潮一尺、暗礁なしとあり、五〇石積以上、一千石積以下の風帆船の一ヵ年の入津は三五艘、出帆は二九艘となっている。入津した商品は、絹布木綿・陶器・食塩・乾魚など三万五千二九五個、出津された商品は米三千八三〇俵(一俵三斗二升入)であった。なお、漁村としての原釜村には、長さ三間から四間までの小舟三六艘、長さ二間から二間五尺までの小舟二六艘、長さ一間から一間三尺までの小舟一五艘があった(以上「宇多郡村誌」)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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