取上(読み)とりあげ

精選版 日本国語大辞典 「取上」の意味・読み・例文・類語

とり‐あげ【取上】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 意見、申し出などを採用すること。
    1. [初出の実例]「お取上も無い時は、すごすごとは戻られまい」(出典:浄瑠璃・嫗山姥(1712頃)二)
  3. 他人のものを無理に奪い取ること。没収すること。
    1. [初出の実例]「『若い精神とその洞察力を極度に恐れた』当局の検閲、とり上げ、焼き棄てのほかに」(出典:短歌への訣別(1946)〈臼井吉見〉)
  4. 産婦を介抱して子を分娩させること。また、それを業とする人。取り上げ婆。
    1. [初出の実例]「取揚の飾をくぐる御年づよ」(出典:雑俳・柳多留‐四六(1808))
  5. 農作物をとり入れること。収穫
    1. [初出の実例]「収穫(トリアゲ)でも済んで十一月とか十二月とか迄延ばせねエことも有るめエに」(出典良人自白(1904‐06)〈木下尚江〉前)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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