古代神学(読み)こだいしんがく

百科事典マイペディア「古代神学」の解説

古代神学【こだいしんがく】

ラテン語prisca theologia(フィチーノの用語)に由来する語で,英語ではancient theology。〈原初神学〉〈太古神学〉などの訳も可能。ヘルメス・トリスメギストス,オルペウス,ゾロアスターピュタゴラス,モーセ,プラトンらによって形成されると考えられた賢者の学統をいう。ラクタンティウスクレメンス,エウセビオスら初期教父がキリスト教護教論に採り入れたばかりか,ルネサンスに大きく復興して神学・哲学・音楽・詩学などに広範な影響を及ぼした。ヘルメス文書,オルペウス教文書,《シビュラの託宣》,《カルデア人の神託》などの文献を時代錯誤的に太古に遡らせた結果生まれた観念であるが,キリスト教真理の古さと権威の証とされてさまざまに論じられ,18世紀まで存続した。魔術的ルネサンスの基盤を支えたのみか,理神論や中国像の定位にまでその波及が見られる。
→関連項目ピコ・デラ・ミランドラ

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世界大百科事典内の古代神学の言及

【ヘルメス思想】より


[成立]
 ヘルメス思想の伝統の内部では,その教義はヘルメス・トリスメギストスに始まる。ルネサンス時代に信じられていた〈古代神学prisca theologia〉の系譜によれば,ヘルメス・トリスメギストスはモーセと同時代人で,その教えをオルフェウスが継ぎ,アグラオフェモスを通じてピタゴラスに伝えられ,その弟子フィロラオスからプラトンに受け継がれたとされている。そしてヘルメス・トリスメギストスの語録が《コルプス・ヘルメティクム》であると信じられた。…

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