古唐津(読み)こからつ

精選版 日本国語大辞典 「古唐津」の意味・読み・例文・類語

こ‐からつ【古唐津】

〘名〙 唐津中心に肥前一帯で作られた古陶。一般に室町末頃にはじまり、慶長元和寛永一五九六‐一六四四)にかけ広い地域にわたり盛んに焼かれたものをいう。素朴重厚な日用雑器を主に、茶器も多い。特に鉄絵の具で素朴奔放な文様をかいた絵唐津がよく知られる。
※茶家酔古襍(1841‐48)一「肥前唐津 古唐津、極古きを云米斗。小眼絵唐津辻平戸等品々あり」

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デジタル大辞泉 「古唐津」の意味・読み・例文・類語

こ‐からつ【古唐津】

唐津焼うち、慶長(1596~1615)から元和(1615~1624)ごろに焼かれたもの。絵唐津・まだら唐津・奥高麗おくごうらいなど種類が多く、茶道で珍重される。

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世界大百科事典(旧版)内の古唐津の言及

【唐津焼】より

…窯址の調査によると,初期には雑器が量産されたと思われるが,見るべきものはやはり水指,茶碗,花生,茶入,向付,火入などの茶具である。これら〈古唐津〉とよばれる作品がいつごろまで焼造されたかは判然としないが,およそ17世紀前半までこの作種はまもられたらしい。それ以後,有田磁器の発達におされて後退するが,江戸中・後期の唐津焼で特色ある製品は,白化粧の刷毛目地に鉄絵と緑釉を加えた二彩唐津である。…

※「古唐津」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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