日本歴史地名大系 「古園石仏」の解説
古園石仏
ふるぞのせきぶつ
山王山石仏の裏山斜面の小高い台地上にある。臼杵磨崖仏群中最も規模が大きく、横幅約二〇メートルの浅い龕状の懸崖に一三体の磨崖仏が一列横隊状に刻み出されている。中尊は大日如来坐像。胴体部が崩壊し仏頭のみ中央石壇上に安置されていたが、智拳印を結ぶ左手の断片が発見され、金剛界大日と判明した。同像を中心に左右各六体の諸尊を配し、十三仏ともよばれる。十三仏の向かって右方にも浮彫の仁王像二体がある。十三仏は著しく風化浸食され、そのほとんどは胴体以下が欠失していた。中尊の向かって右側は無量寿如来・不空成就如来・普賢菩薩・観音菩薩・降三世明王・多聞天、左側は阿如来・宝生如来・文殊菩薩・勢至菩薩・不動明王・増長天とみられる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報