古城遺跡(読み)ふるしろいせき

日本歴史地名大系 「古城遺跡」の解説

古城遺跡
ふるしろいせき

[現在地名]板野町古城

旧吉野川・宮川内谷みやごうちだに川・黒谷くろだに川などの河川により形成された沖積地の微高地上にある平安時代から室町時代にかけての集落跡。字城の内しろのうち付近を黒谷川古城遺跡、字本村もとむら付近を古城遺跡A地点・B地点、字くすもと付近を同遺跡C地点と呼称している。

黒谷川古城遺跡は平成元年(一九八九)黒谷川改修工事に際して発見され、同年約一〇二〇平方メートルが発掘調査された。調査の結果、室町時代後半の土葬墓、溝や戦国時代から江戸時代にかけての水田跡などが検出された。土葬墓は三基確認された。このうちの一基(一号土壙墓)は二×一メートル、深さ〇・三七メートルの楕円形の土壙である。上面を拳大から人頭大の礫で被覆しており、内部から骨・歯が出土している。副葬品の類は出土していない。水田跡は堆積層からすると八―一〇期にわたり営まれたと考えられ、最下層は出土遺物から戦国時代にさかのぼるものと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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