古文尚書(読み)コブンショウショ

デジタル大辞泉 「古文尚書」の意味・読み・例文・類語

こぶん‐しょうしょ〔‐シヤウシヨ〕【古文尚書】

隷書以前の蝌蚪かと文字古文)で書かれた尚書書経)。前漢の景帝のとき、孔子旧宅の壁の中から発見され、武帝のとき、孔安国が解読したと伝えられるが、現在では偽書といわれている。→今文きんぶん尚書

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精選版 日本国語大辞典 「古文尚書」の意味・読み・例文・類語

こぶん‐しょうしょ‥シャウショ【古文尚書】

  1. 〘 名詞 〙 先秦蝌蚪文字(かともんじ)で書かれていた「書経」。漢の景帝のとき、魯の恭王が孔子の旧宅の壁中から得たとされるもの。

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世界大百科事典(旧版)内の古文尚書の言及

【閻若璩】より

…山西省太原の人。若いころから経学・史学を好んで名声をはせていたが,20歳のとき,《古文尚書》を読んで,その編数に疑いを抱き,ついに《尚書古文疏証》8巻を著して,《古文尚書》25編と孔安国の伝が後世の偽作だと推論した。長く神聖視されてきた経書を批判的対象とした点で,清代考証学の先駆となった。…

【偽書】より

…すなわち各学派は,国家の保護を受けんがため,自説に都合のよい経典や注釈を偽造して他派を論破しようとするのである。《偽古文尚書》の出現がその典型例となろう。魏の王粛一派は,後漢以来勢力をもっている鄭玄(じようげん)の学説を打ち破るべく,自派に都合のよい《孔子家語(けご)》《孔叢子(くぞうし)》などの仮託の書を偽造した。…

【書経】より

… 孔子のとき100編あったというが,秦の焚書を経て,漢の初めに済南の伏生が伝えたのは28編だけであり,これは漢代通行の文字(隷書)に書き写されたので《今文尚書(きんぶんしようしよ)》と呼ばれる。その後,武帝のとき孔子の旧宅の壁の中から今文28編より16編多く,古体の文字で書かれた《古文尚書》が現れた。これらは後漢から三国時代まで行われ,西晋末の戦乱で散逸した。…

※「古文尚書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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