尚書(読み)ショウショ

デジタル大辞泉 「尚書」の意味・読み・例文・類語

しょう‐しょ〔シヤウ‐〕【尚書】

《古くは「じょうじょ」とも》
弁官唐名
中国官名しん代に設置され、初め天子文書授受をつかさどる小官だったが、しだいに地位が上がり、代~代には六部長官となった。
[補説]書名別項。→尚書

しょうしょ【尚書】[書名]

とうとぶべき書の意から》書経しょきょう異称。漢以降、宋代まで用いられた呼称

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精選版 日本国語大辞典 「尚書」の意味・読み・例文・類語

しょう‐しょシャウ‥【尚書】

  1. ( 古くは「じょうじょ」とも )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 太政官の弁官の唐名。
      1. [初出の実例]「以守民部尚書直大弐粟田朝臣真人、為遣唐執節使」(出典:続日本紀‐大宝元年(701)一月丁酉)
      2. 「尚書(ジャウジョ)は又天下望也」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)上)
    2. 後宮女官の官名。書(ふみ)の司(つかさ)の長官。ふみのかみ。
    3. 中国、秦代、少府から遣わされて、殿中にあって文書を発することをつかさどった官。漢代には尚書令が置かれて国政枢機に参与し、のちに行政官庁として発展した。
      1. [初出の実例]「震旦に民部の尚書として武昌公載の索冑と云ふ人有けり」(出典:今昔物語集(1120頃か)九)
      2. [その他の文献]〔宋書‐百官志・上〕
  3. [ 2 ]書経」の別名。漢以後宋までの呼称。書名の由来として諸説あるが、上古の尚ぶべき書の意。
    1. [初出の実例]「蔵人所尚書竟宴事」(出典:九暦(949)九暦抄)
    2. 「歌は尚書の元━首股━肱よりはじまり、或は毛詩よりはじまり」(出典:随筆・戴恩記(1644頃)下)

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改訂新版 世界大百科事典 「尚書」の意味・わかりやすい解説

尚書 (しょうしょ)
Shàng shū

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百科事典マイペディア 「尚書」の意味・わかりやすい解説

尚書【しょうしょ】

書経(しょきょう)

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「尚書」の解説

『尚書』(しょうしょ)

『書経』(しょきょう)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「尚書」の意味・わかりやすい解説

尚書
しょうしょ

書経

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「尚書」の意味・わかりやすい解説

尚書
しょうしょ

書経」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の尚書の言及

【宰相】より

…また同じく前漢末に丞相が大司徒と改称された。後漢では大司馬が太尉に改称されたが,皇帝側近の尚書が丞相の職務を遂行するようになった。 魏・晋時代から丞相の名が復活し宰相として機能したが,後漢以来の,皇帝直属の秘書官室である尚書が政務遂行の中心になる傾向が推し進められ,それまでの三公が権力を失っていき,尚書の最高官の録尚書事が宰相の権力を掌握した。…

【六部】より

…吏部は文官の人事,戸部は財政,礼部は祭祀と教育,兵部は軍事と武官の人事,刑部は司法,工部は土木に関する政務をそれぞれ担当した。魏・晋以後,中央行政機関となってきた尚書省は,5曹ないし6曹の分曹をもち,それらの曹名にも変遷があったが,唐代にいたって吏,戸,礼,兵,刑,工の六部とした。《周礼(しゆらい)》の天,地,春,夏,秋,冬の六官に淵源をもつ各部の長官を尚書,次官を侍郎といい,これら六部をおのおの四司に分け,各司に郎中,員外郎,主事などの官を置いた。…

【偽書】より

…偽書とはその偽なる部分が大きく,意図的な作偽によるものを指すといえよう。儒家の経典でいえば,とくに問題になるのは《尚書(書経)》であるが,《論語》《孝経》の孔安国注など注釈にも偽造されたものがある。歴史書では《竹書紀年》に今本と古本との問題があり,諸子百家の《列子》もその大部分が戦国時代の列禦寇の著でないというところからいえば偽書となろう。…

【考証学】より

…(1)古典のテキストについて綿密な考証が行われ,その真偽が鑑別されたこと。閻若璩(えんじやくきよ)の《尚書古文疏証》は,《尚書》のうち東晋におくれて出た古文についてその偽作なることを証明したものである。これは神聖なる経典を,研究の対象とし,かつこれを懐疑したものであって,一種の思想解放としての意味をもった。…

【書経】より

…五経の一つ。先秦では単に《書》といい,漢代からは《尚書》と呼ばれ,宋以後《書経》と称される。《書》は史官の記録に由来する中国最古の文献であり,早くから民族の古典として尊ばれており,儒家はそれを自己の経典としたのである。…

【焚刑】より

…火刑,火焙(ひあぶり),火罪とも。中国では《尚書》に〈焚〉の字がみえ,またローマにおけるキリスト教徒迫害の例もあるように,史実であるか否かはともかく,古代国家の規範意識を確認・強化し,見せしめによる同種犯罪の予防に効果的な刑罰として存在していたことはたしかである。とくにキリスト教においては,〈最後の審判〉後の肉体の復活が信じられていたから,遺体の原形をとどめない焚刑は,長くもっとも重い刑とされてきた。…

※「尚書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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