日本歴史地名大系 「古見所跡」の解説 古見所跡くんすらじよあと 沖縄県:八重山諸島竹富町古見村古見所跡[現在地名]竹富町古見古見(くん)にあった王府時代の造船所。古見にはいくつかのスラ所(造船所)があったことが史料にみえる。八重山島年来記の康熙一七年(一六七八)条によると、八重山の地船のなかでも大船の造船は黒(くろ)島で行っていたが、用材の楷木を黒島まで運ぶのが大変なので、石垣船は石垣(いしやなぎい)村で、古見船は古見(くん)村内の大枝(うぶた)村で造るよう定めている。慶来慶田城由来記によると、スラ所は古見村の苧績屋の前の浜にあったようだ。しかし大枝のスラ所の前には三〇〇尋(約五〇〇メートル)もの干潟があり、進水に二、三日も要したため、同三八年「かきら崎」への移転案が浮上、同四〇年かきら崎で古見船の試作を行ったところ結果は良好であったという(参遣状)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報