古賀遺跡(読み)こがいせき

日本歴史地名大系 「古賀遺跡」の解説

古賀遺跡
こがいせき

[現在地名]荻町藤渡

阿蘇外輪山の東麓、標高六〇〇メートルの台地にある弥生時代後期の大集落跡。範囲は標高六八八メートルの下荻しもおぎ岳の南麓一帯、東西一キロ・南北五〇〇メートルに達する。また集落の北縁部に湧水点をもつ。推定される竪穴住居跡の軒数は五〇〇以上とみられ、大野川上・中流域を通じて最大規模を有する。昭和五四年(一九七九)湧水点に近い集落の一部(六〇×七〇メートル)の発掘調査が行われ、約一〇〇軒の方形竪穴住居跡が複雑に切合って検出された。これらは弥生時代後期―終末期に及ぶもので、上流部では比較的長期に存続したものとみられる。同調査区九三号住居跡からは製作途中の磨製石鏃未製品がまとまって出土、集落内での石器製作の状況を示す例として注目される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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