古都ビガン(読み)ことビガン

世界遺産詳解 「古都ビガン」の解説

ことビガン【古都ビガン】

1999年に登録されたフィリピンの世界遺産(文化遺産)で、ビガンはルソン島の北西部、イロコス・スル州の州都でアブラ川の河口にある町。南シナ海に面しているため古くから中国大陸と交流があり、1572年にスペインの植民地になってからは、町には聖堂総督府、市庁舎などが建てられ、ルソン島北部の経済拠点として栄えた。スペイン統治下の19世紀後半まではシウダッド・フェルナンディナと呼ばれていたが、海岸に茂っていたビガという植物にちなんで現在の名前になった。南北1kmに及ぶ道沿いにスペイン風の白壁家屋が並ぶ旧市街は、第二次世界大戦で日本軍に占領されたが戦禍を免れ、約30軒が当時の姿をとどめている。スペイン情緒あふれる町並み、スペイン統治以前の中国やフィリピン独自の建築様式が融合した歴史的な建造物群が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はHistoric Town of Vigan

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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