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貨幣資本 かへいしほんGeldkapital; money capital

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

貨幣資本
かへいしほん
Geldkapital; money capital

マルクス経済学でいう資本形態の一つで,貨幣の形態をとった資本。 K.マルクスによれば,資本は自己の価値増殖を行う過程で種々の形態をとりながら循環運動を行う。すなわち資本はまず生産過程で機能する前に貨幣の形態をとっており,企業はこの貨幣資本 G をもって生産に必要な労働力生産手段を購入する。生産過程Pに投入された生産諸要素 (生産手段・労働力) の形態にある資本を生産資本という。この生産資本は生産過程の終了とともに増殖された価値をもつ商品の形態に転化され,これを商品資本 W′という。この商品資本は流通過程において売却され,価値を増殖した貨幣資本 G'=G+g (→剰余価値 ) として再び貨幣の形態に転化される。マルクスはこのような資本の循環を次のような記号で表わした。 G-W…P…W'-G' (…は流通過程の中断を示す)
このような循環をとげる資本を産業資本と呼んだ。この資本の循環過程のポイントは,終点は始点と同じ貨幣の形態に立戻るが,そこには価値が増殖された姿で立戻ることであって,その価値増殖の秘密が生産過程にあることをマルクスは明らかにした。

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デジタル大辞泉の解説

かへい‐しほん〔クワヘイ‐〕【貨幣資本】

資本が購入・生産・販売の各局面で姿を変えて循環する中で、貨幣の形態にある資本のこと。

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世界大百科事典 第2版の解説

かへいしほん【貨幣資本 Geldkapital[ドイツ]】

現実に運動している資本は,貨幣(事業開始,継続のための資金,種々の準備金,売上金等),生産資本(原材料,機械設備,労働力等),商品(生産物に代表される)の三つの姿をとっている。マルクス経済学ではこの貨幣形態にある資本を貨幣資本と呼び,それが生産資本や商品資本(生産資本と商品資本とをあわせて〈現実資本wirkliches Kapital〉と呼ぶ)に姿態を変え,再び貨幣の姿に戻るまでを貨幣資本の循環としてとらえ,資本主義的生産システム,とくに〈資本〉の運動の特質を明らかにしようとする。

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大辞林 第三版の解説

かへいしほん【貨幣資本】

資本が貨幣・生産手段・商品といった種々の形態を示す循環の中で、貨幣の形態をとっている資本。 → 実物資本

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世界大百科事典内の貨幣資本の言及

【回転期間】より

…資本とは,増殖する価値の運動体であり,その姿を貨幣,商品等に転換しつつ一定期間に利潤を取得するものである。また,このような資本が生産過程を根拠に利潤を取得するようになったものが産業資本であり,したがって産業資本は,たえず貨幣資本(G),生産資本(P),剰余価値を含む商品資本(W′),剰余価値を含む貨幣資本(G′)と形を変えながら増殖運動をくりかえしている。ところで資本の回転期間とは,産業資本が前貸形態の資本すなわち生産資本ないし貨幣資本の形から出発し,再び同じ資本の形に復帰するまでの期間のことを意味している。…

※「貨幣資本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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