台・萼(読み)うてな

精選版 日本国語大辞典 「台・萼」の意味・読み・例文・類語

うてな【台・萼】

〘名〙
四方を眺めわたすために土を積み重ねて作った壇。〔十巻本和名抄(934頃)〕
② 高い盛り土の上の建築物。高殿(たかどの)
※竹取(9C末‐10C初)「葎はふ下にも年はへぬる身の何かは玉のうてなをも見む」
③ (「蓮のうてな」の意から) 仏説で極楽往生した者の座るという蓮の花の形をした台。蓮台。
源氏(1001‐14頃)鈴虫「はちす葉をおなじうてなと契おきて露のわかるるけふぞかなしき」
血筋血統同族
歌舞伎御摂勧進帳(1773)五立口「義経いやしくも清和の台(ウテナ)を出で、多田の満仲の正統
⑤ (萼) 植物の萼(がく)。「はすのうてな」から出た「はなのうてな」の意が広がったものという。
浄瑠璃嫗山姥(1712頃)灯籠「はひまつはるるあさがほの花のうてなのりんりんごとに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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