中国、浙江(せっこう)省中部にある地級市。銭塘江(せんとうこう)の支流である金華江の流域に位置する。人口475万1000(2014)。2市轄区、3県を管轄し、蘭渓(らんけい)、義烏(ぎう)など4県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。後漢(ごかん)代に長山県が置かれ、隋(ずい)代に呉寧(ごねい)、東陽(とうよう)などと改められたのち金華県となった。明(みん)・清(しん)代には金華府の治所で、1949年に市街区に市制が施行された。1962年廃止されたが1979年復活、1981年金華県を編入した。
周辺農村は米、ナタネ(アブラナ)、コウマ、タバコなどを産するほか、淡水養魚と養豚が盛んで、特産品として豚毛と「金華ハム」が知られる。金華江水運の起点であるとともに滬昆(ここん)線(上海(シャンハイ)―昆明(こんめい))も通じるので、省の水陸交通の要地であり商業も盛んである。古跡に八咏楼(はちえいろう)、天寧寺(てんねいじ)があり、北山の双竜(そうりゅう)、氷壺(ひょうこ)、朝真(ちょうしん)の三つの洞穴は有名な景勝地である。
[林 和生・編集部 2017年4月18日]
中国,浙江省中部の市。人口42万(2000)。銭塘江の中流部,衢江(くこう)と金華江の作る盆地の中心都市。米・綿・茶などの農産物のほか,特産の豚(金華猪)から作るハムは有名。杭州の後背地をなし,また東南海岸や西南の江西北東部へ至る交通路を抑える地点にあり,歴史的に浙江中部の要衝であった。後漢に長山県が置かれ,三国呉に東陽郡が設けられその中心となった。それ以後,金華郡,婺州(ぶしゆう)と名称が変更され,県も隋代に金華となった。八咏楼,天寧寺などの名所のほか,市の北には道教の洞天の一つとされる金華山(北山,標高1308m)があり,石灰岩質のため双竜洞・氷壺洞・朝真洞などの鍾乳洞がある。
執筆者:秋山 元秀
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