台湾神宮(読み)たいわんじんぐう

改訂新版 世界大百科事典 「台湾神宮」の意味・わかりやすい解説

台湾神宮 (たいわんじんぐう)

日本統治下の台湾の台北市にあった神社。大国魂(おおくにたま),大己貴(おおなむち),少彦名(すくなびこな)の三神と北白川宮能久(よしひさ)親王をまつる。日清戦争後,台湾征討軍の指揮に当たった陸軍中将北白川宮能久親王は,1895年,台南市で病没した。1900年,台北に台湾の鎮護のために,親王と札幌神社(のち北海道神宮)と同じ開拓三神とをまつる官幣大社台湾神社を創建することが決まり,翌年10月に社殿が完成して鎮座祭が行われた。以後,10月28日の例祭,6月17日の始政記念祭が行われたが,44年,祭神天照大神を加えることになり,台湾神宮と改称された。台湾には,能久親王をまつる官幣中社台南神社以下,80余の神社が建てられたが,45年,日本の降伏により廃絶された。
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