合い方（読み）あいかた

精選版 日本国語大辞典

あい‐かたあひ‥【相方・合方】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 事を共にする際の相手方。相手となる者。
   1. (イ) 相手。仲間。相棒。
      1. [初出の実例]「催従(もより)にまかせ好類(アイカタ)につれ東山北野に集会(つどひ)て」(出典：談義本・艷道通鑑（1715）四)
   2. (ロ) ( 「敵娼」とも書く ) 遊客の相手となる遊女や若衆。
      1. [初出の実例]「義岑が相方、台(うてな)と申す女郎」(出典：浄瑠璃・神霊矢口渡（1770）一)
   3. (ハ) 三味線の伴奏者。また、万歳などで相手役の芸人。
      1. [初出の実例]「歌一つのうち、二上り三下りなどの調子かはる事あるは、一しほ相手の調子取やう、あひかたに習ひある事也」(出典：歌謡・松の葉（1703）五)
3. ② 能楽で、伴奏する楽器の総称。大鼓、小鼓、太鼓、笛によるもの。囃子方(はやしかた)。また、謡(うたい)と囃子を合わせるためのきまり。
   1. [初出の実例]「相かたに合はぬ諷は役にたたぬ物じゃ」(出典：歌舞伎・心中鬼門角（1710）下)
4. ③ 邦楽で、唄と唄との間をつなぐ三味線の合の手の、特に長いもの。歌舞伎の下座(げざ)音楽で、三味線を主としたものの名称。俳優の演技やせりふに合わせ、場面の雰囲気を盛り上げる効果をもつ。
   1. [初出の実例]「三味線の相かたさへしらずに」(出典：浮世草子・傾城歌三味線（1732）五)

出典　精選版 日本国語大辞典