…世界の諸地域にはそれぞれ伝統的な酒に対応する酢があり,いまでもフランス,イタリア,スペイン,ポルトガルなどのワイン産出地域ではワインビネガー,イギリスではモルトビネガー,日本では米酢(よねず∥こめす)が食酢の中心をしめてきた。日本農林規格(JAS)では食酢を表のように分類し,原料中に合成品の氷酢酸を使用した合成酢をも食酢の一種としている。しかし,本来は穀物や果汁を材料とする含酒精もろみを酢酸発酵させたものであるため,イギリスでは合成酢は食酢にあらずとしてvinegarを称することを禁じ,non‐brewed condiment(非発酵性調味料)と呼んでいる。…
※「合成酢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」