吉見庄(読み)よしみのしよう

日本歴史地名大系 「吉見庄」の解説

吉見庄
よしみのしよう

現田尻町吉見に遺称を残す長講堂領庄園。建久二年(一一九一)一〇月日の長講堂所領注文(島田文書)に「吉見菟田庄」とあり、御寺役として元三御簾三間・畳八帖と御神祭神籬一具を備進することになっている。しかし神祭神籬は当時勤仕していなかった。長講堂領は後白河法皇の皇女宣陽門院に譲られるが、建長三年(一二五一)三月、宣陽門院の発願によって催された槙尾まきお(現和泉市)の万灯会の用途に当庄と菟田うさいだ(現泉南市)年貢があてられている(槙尾寺縁起)

建長七年一一月日の春日社神人等申状(福智院家古文書)によると、奈良春日社神人が「吉見保雑掌定慶并下司明村等」が御神木御社を穢したことを訴えたが、四年間も裁断が下されないので重ねて訴えたところ、罪科に処すべしという春日社別会所の下文が出された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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