改訂新版 世界大百科事典 「名女情比」の意味・わかりやすい解説 名女情比 (めいじょなさけくらべ) 仮名草子。作者不明。1680年(延宝8)刊。5巻。《本朝女鑑》の影響を受けて,巻一から巻四まで日本の名女27名の説話を並べた小説であるが,巻五のみは大磯の虎,六条の吉野,八千代,雲井,夕霧,濃紫,島原の吉野の遊女7名の逸話を述べている。固い賢女物がはじめて遊女を賢女に加えたのはめずらしい。当時の風潮を示すもので,西鶴の《好色一代男》にみられる名妓伝的挿話の前駆ともいえる。執筆者:野田 寿雄 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by