周藤弥兵衛(読み)すどう・やへえ

朝日日本歴史人物事典 「周藤弥兵衛」の解説

周藤弥兵衛

没年:宝暦2.12.18(1753.1.21)
生年:慶安4(1651)
江戸中期の切通水路開削,新田開発の功労者。出雲国(島根県)意宇郡日吉村の下郡役を勤める家に生まれる。のち出家して良刹と名乗る。祖父弥兵衛(初代)家正が村の度々の水害を救うため岩山を開削し,かつ築堤して新田も開いていたが,承応3(1654)年の堤防決壊,元禄15(1702)年の大洪水で本田新田とも跡形もなく破壊された。孫の3代目弥兵衛良刹は祖父の偉業を継承,宝永3(1706)年岩山開削,川違工事を松江藩に願い出,私財を投じて着手,延享4(1747)年まで42年間をかけて完成した。また貞享・元禄期(1684~1704)には,下郡役として意宇郡古志原村(松江市)の開発にも尽力した。<参考文献>島根県内務部編『島根県旧藩美蹟』

(松尾寿)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「周藤弥兵衛」の解説

周藤弥兵衛(3代) すとう-やへえ

1651-1753* 江戸時代前期-中期の治水家。
慶安4年生まれ。出雲(いずも)(島根県)意宇(いう)郡の豪農。日吉村意宇川の氾濫(はんらん)をふせぐため,祖父の初代弥兵衛の開削した日吉剣山の水路を独力できりかえ,拡張し,42年間の難工事のすえに旧河川跡に新田をひらいた。宝暦2年12月18日死去。102歳。法号は良刹(りょうせつ)。

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