島根県(読み)しまね

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

島根〔県〕
しまね

面積 6708.24km2
人口 69万4352(2015)。
年降水量 1787.2mm(松江市)。
年平均気温 14.9℃(松江市)。
県庁所在地 松江市
県木 クロマツ
県花 ボタン
県鳥 ハクチョウ(→オオハクチョウコハクチョウ)。

本州西部,日本海に臨む県。東は鳥取県,南は広島県,西は山口県に接する。大部分が花崗岩からなる中国山地であるが,日本海上にある隠岐諸島は火山岩からなる。宍道地溝帯にある出雲平野松江平野のほか海岸沿いに狭長な益田平野があり,江川(ごうがわ)を除き河川は短くて急流。気候は日本海岸気候で,春季にフェーン現象を伴う。出雲平野東部は冬の北西風が強く,築地松(ついじまつ)と呼ばれる防風林に囲まれた家屋がみられる。出雲市周辺で縄文・弥生時代の銅鏡や銅鐸などが多く出土し,古墳が多い。古くから朝鮮半島などの大陸文化の影響を受け,独特の古代文化圏を形成。戦国時代は尼子氏が出雲を支配したが,のち毛利氏が取って代わり,江戸時代は松平氏が松江藩主となって出雲,隠岐を支配。ほかに浜田,津和野の 2藩と幕府直轄の石見銀山領に分かれていた。明治4(1871)年廃藩置県により出雲を中心とする島根県が置かれ,1881年今日の県域になった。県域の約 7割が森林地帯で,第2種兼業農家(→兼業農家)が多い。近年は米作と和牛飼育に力が入れられている。海岸線が長く,対馬海流が回流するため,浜田港を中心に,沿岸漁業やかまぼこなどの水産加工業も行なわれる。工業はかつてたたらぶき製鉄で知られたが,今日では漆器,そろばん,瓦などの伝統工業が中心。ほかに安来市の金属,出雲市の紡績,電子部品などがある。1966年に新産業都市の指定を受けた中海臨海地区には鉄工団地がある。神話や伝説が多く生まれた地で,出雲大社をはじめ神社が多い。大山隠岐国立公園比婆道後帝釈国定公園西中国山地国定公園があり温泉も多い。海岸沿いを JR山陰本線,国道9号線が通じる。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔島根県〕島根〈県〉(しまね〈けん〉)


中国地方北西部に位置する県。
東は鳥取県、南は広島県、南西は山口県に接する。北は日本海に面し、沖合の隠岐(おき)諸島を含む。中国山地が大部分を占め、東部には中海(なかうみ)・宍道(しんじ)湖を含む地溝帯がある。農業主体で漁業も盛ん。工業の近代化は遅れたが、山陰自動車道など交通体系の整備やハイテク企業誘致などが進む。出雲(いずも)地方・石見(いわみ)地方・隠岐地方に分かれる。人口71万3056。面積6707.96km2。人口密度106.30人/km2。管轄市町村は8市10町1村。県庁所在地は松江市。県花はボタン。
歴史を見ると、出雲地方には稲作が早くから伝播(でんぱ)した。弥生時代の遺跡が多く分布し、斐川(ひかわ)町の荒神谷(こうじんだに)遺跡では大量の青銅器が出土し、雲南(うんなん)市の加茂岩倉(かもいわくら)遺跡では多数の銅鐸(どうたく)が発見されている。古墳も独特のものが多い。『古事記』『日本書紀』『出雲国風土記(いずものくにふどき)』の神話などから、大和朝廷に拮抗(きっこう)する強大な地方勢力が存在したと推定されている。8世紀になると出雲国・石見国・隠岐国が成立。中世、出雲国では尼子(あまこ)氏が勢力を広げたが、戦国時代末期に毛利(もうり)氏が尼子氏を下して出雲・石見・隠岐ほか中国地方一円を支配。隠岐国は「罪人遠流の島」として鎌倉時代には後鳥羽(ごとば)上皇、後醍醐(ごだいご)天皇が配流(はいる)された。江戸時代、出雲国には1638年(寛永(かんえい)15)に松平(まつだいら)氏が入封し、松江(まつえ)藩主として明治維新まで領有。石見銀山をもつ石見国は分割統治された。近世を通じ、和紙・畳表・木綿・薬用ニンジンなど商品生産が発展し、中国山地でのたたら製鉄も最盛期を迎えた。1871年(明治4)に廃藩置県が行われ、4県が成立するが同年中に松江・浜田(はまだ)の2県に統合。隠岐は鳥取県の管轄となる。1876年、島根県に浜田県・鳥取県を統合。1881年には隠岐を除く鳥取県を分離し、現在の県域となった。
地勢を見ると、広島・山口両県境を標高1000~1200m級の中国山地が延び、南西部は高い冠山(かんむりやま)山地をなす。この脊梁(せきりょう)山地の北側は石見高原が階段状に低まり、斐伊(ひい)川・江(ごう)の川・高津(たかつ)川などが北流する。江の川は広島県北部の諸支流を集め、中国山地を横断して日本海に注ぐ。各河川の河口部には大量の土砂が運ばれ、宍道湖岸に沖積平野を形成し、砂州(さす)・砂丘を成長させた。山地と海岸の境界には青野(あおの)山・三瓶(さんべ)山などの火山が噴出。隠岐諸島は第三紀の火山島で平地に乏しい。気候は、東部は日本海岸式気候の山陰型で、冬季には北西の季節風が強く、かなりの積雪量をみる。南西部は北九州地方と同じ九州西岸型気候を呈す。
産業は、農業では、伝統的に水田単作地帯だが、地域の特性を生かした肉牛飼育、ブドウ・柑橘(かんきつ)類やカキ・イチゴ・メロン・花卉(かき)栽培、高冷地野菜の栽培などが行われる。かつて薪炭の生産で知られた林業は、構造不況により停滞。隠岐諸島周辺は日本海屈指の好漁場で、巻き網漁や沖合イカ漁が行われる。浜田港・美保関(みほのせき)港などでは水産加工業も盛ん。アワビ・ワカメ漁などは養殖への転換が進む。宍道湖・中海の内水面漁業は淡水化工事の影響で一時危機に瀕(ひん)したが、工事は2002年(平成14)以降中止された。鉱工業生産は全般に不振で、出荷額でも全国の下位に位置するが、特殊鋼・繊維・パルプ・農機具など第二次世界大戦前から地域に基盤を築いた工業がある。石州瓦(せきしゅうがわら)・雲州(うんしゅう)そろばんに代表される伝統産業は、長年の技術・販路に支えられて健在。
観光では、県全域で自然環境が比較的よく残されており、出雲大社に代表される史跡や神話・伝説にも恵まれ、多くの観光客を魅了する。隠岐諸島・三瓶山や島根半島沿岸の一部は大山(だいせん)隠岐国立公園、南東部の中国山地一帯は比婆道後帝釈(ひばどうごたいしゃく)国定公園、南西部の冠山山地は西中国山地国定公園に属する。城下町の松江市や、山陰の小京都とよばれる鹿足郡津和野(つわの)町は独特の風情(ふぜい)を保つ。玉造(たまつくり)温泉など全国的に知られた温泉も多い。2005年に宍道湖と中海がラムサール条約の登録地となり、2007年には大田(おおだ)市の石見銀山が石見銀山遺跡とその文化的景観として世界遺産(文化遺産)に登録された。国の重要無形民俗文化財として、五十猛(いそだけ)のグロ・大元(おおもと)神楽・大土地神楽・佐陀(さだ)神能・津和野弥栄(やさか)神社の鷺舞(さぎまい)のほか、隠岐島には隠岐の田楽と庭の舞・隠岐国分寺蓮華会舞(れんげえまい)の民俗芸能が指定されている。津和野町では江戸時代の行列を再現した奴(やっこ)行列が11月に行われる。
飯石郡
出雲市
雲南市
大田市
邑智郡
隠岐郡
鹿足郡
江津市
仁多郡
浜田市
益田市
松江市
安来市

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事典 日本の地域ブランド・名産品の解説

島根県

中国地方北西部に位置する県。北部は日本海に面し、南部には中国山地の山々が連なる。また、島根半島の北方40km〜80kmの海上には、島前・島後などからなる隠岐諸島がある。気候は日本海型。農業が盛んだが、兼業農家が増加傾向にある。県花は牡丹(ボタン)。県木は、黒松(クロマツ)。県鳥は、白鳥(ハクチョウ)。県魚は、飛魚(トビウオ)。

[島根県のブランド・名産品]
秋鹿ごぼう | 出雲石灯ろう | 出雲一刀彫 | 出雲今市土人形 | 出雲織 | 出雲五色天神 | 出雲獅子頭 | 出雲そば | 出雲鍛造工芸品 | 出雲広瀬方円窯 | 出雲民芸紙 | 出雲めのう細工 | 石見岡光刃物 | 石見神楽衣裳 | 石見神楽蛇胴 | 石見神楽面 | 石見根付 | 石見焼 | 十六島紫菜 | 雲州そろばん | 雲州忠善刃物 | 雲州薬用人参 | 雲州幸光刃物 | 大根島の牡丹 | 隠岐沖光刃物 | 隠岐黒耀石細工 | 奥出雲玉鋼工芸品 | 奥出雲銘木製品 | 勝地半紙 | 加茂刃物 | 木地人形 | 錦山焼 | 組子細工 | 黒田せり | ケヤキ指物木工 | ケヤキ挽物細工 | 源氏巻 | しまね和牛 | 出西織 | 出西しょうが | 出西焼 | じょうき | 宍道湖大和しじみ | 杉葉線香 | 石州亀山焼 | 石州川本木工品 | 石州瓦 | 石州半紙 | 石州和紙 | 雪舟焼窯元 | 袖師焼 | 大社の祝凧 | 高橋鍛冶製品 | 多伎いちじく | 津田かぶ | 筒描藍染 | 長浜人形 | 飯島かぶ | 八幡焼 | 浜田のアジ・カレイ・ノドグロ | 張子虎 | 萬祥山焼 | 斐伊川和紙 | 斐川の木芸品 | 広瀬絣 | 広瀬和紙 | 福こづち | 福神面 | 布志名焼 | 布施の木工品 | 仏像彫刻 | 松江姉様 | 松江藩籐細工 | 松江筆 | 松江和紙てまり | 魔除け飾り面 | 御代焼 | 武者絵五月幟 | メノハ | 母里焼 | 八雲塗 | 安来織 | 温泉津焼 | 楽山焼

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

しまね‐けん【島根県】

中国地方北西部の県。出雲、石見、隠岐の三か国にあたる。北は日本海に接し、南は中国山地を境にして広島県と、東は鳥取県、西は山口県と接する。明治四年(一八七一)の廃藩置県の際、隠岐は鳥取県に編入されたが、同一四年島根県に編入し、現在の県域が定まる。県庁所在地は松江市。

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