命を鴻毛の軽きに比す(読み)いのちをこうもうのかろきにひす

故事成語を知る辞典 「命を鴻毛の軽きに比す」の解説

命を鴻毛の軽きに比す

大切なもののためであれば、命を捨てても惜しくないことのたとえ。

[使用例] なにがおかしい、義に当面すれば、身命を鴻毛よりも軽しとするのが、侍の本分ではないか[山本周五郎*樅の木は残った|1954~56]

[由来] 「文選」に収録された、紀元前二~一世紀、前漢王朝の時代の歴史家、司馬遷の文章の一節から。皇帝の怒りにあい、極刑の宣告を受けた司馬遷は、「死は、あるときは泰たい山ざん(山東省にある名山)よりも重いし、またあるときは『鴻毛よりも軽し(オオハクチョウの羽毛よりも軽い)』」と述べ、何のために生き、何のために死ぬかが大切なのだと考えます。そして、執筆中の歴史書を書き上げるために、死刑の代わりに宮刑(生殖器を切り落とす刑)を受けて生き永らえる道を選び、不朽の名著「史記」を後世に残すことになりました。

[解説] 司馬遷のこの文章からは、「九牛の一毛」や「木石に非ず」という故事成語も生まれています。

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