木石に非ず(読み)ぼくせきにあらず

精選版 日本国語大辞典 「木石に非ず」の意味・読み・例文・類語

ぼくせき【木石】 =に 非(あら)ず[=ならず]

  1. ( 木や石ではないの意から ) 人間らしい感情を解さないものではない。人情を有している。
    1. [初出の実例]「人、木石にあらねば、時にとりて、物に感ずる事なきにあらず」(出典:徒然草(1331頃)四一)
    2. [その他の文献]〔司馬遷‐報任少卿書〕

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故事成語を知る辞典 「木石に非ず」の解説

木石に非ず

人間は感情を持つかよわい存在だ、ということ。

[使用例] れ人は木石にあらず、誰か色情なからん。人はきんじゅうにあらず、誰か名誉心なからん[正岡子規*読書弁|1889]

[由来] 紀元前二~一世紀、前漢王朝の時代の中国の歴史家、せんの「にんしょうけいに報ずる書」という文章一節から。正しいと思ってしたことが原因で皇帝の怒りに遭い、死刑判決を受けたときのことを、「身は木石に非ざるに(私の体は木や石ではないのに)」、獄吏に引っ立てられて獄中に閉じ込められてしまい、助けようとしてくれる人などだれもいなかった、と回想しています。

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