和歌童蒙抄(読み)ワカドウモウショウ

デジタル大辞泉 「和歌童蒙抄」の意味・読み・例文・類語

わかどうもうしょう〔ワカドウモウセウ〕【和歌童蒙抄】

平安後期の歌学書。10巻。藤原範兼著。久安元年(1145)ごろの成立か。万葉集以下の諸歌集の歌を、日・月など22項の部類に分けて語釈出典を記し、さらに雑体歌の病・歌合判について述べたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「和歌童蒙抄」の意味・読み・例文・類語

わかどうもうしょうワカドウモウセウ【和歌童蒙抄】

  1. 平安末期の歌学書。一〇巻。藤原範兼(のりかね)著。天以下二二項目の部類に分けた歌語を例歌を挙げて注釈した九巻と、歌体歌病・歌合判について記した一巻からなる。その緻密な考証的な方法は、六条家の歌学に大きな影響を与えた。

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世界大百科事典(旧版)内の和歌童蒙抄の言及

【辞書】より

… またこの時代には和歌の学問がさかんになって,古歌の語が研究されるようになり,多くの歌論書が作られた。その中で,能因法師の《能因歌枕(うたまくら)》1巻,藤原仲実(なかざね)の《綺語(きご)抄》3巻,藤原清輔(きよすけ)の《奥儀(おうぎ)抄》3巻(天治~天養期(1124‐45)ころ成立),顕昭の《袖中(しゆうちゆう)抄》20巻(文治期(1185‐90)ころ成立),藤原範兼(のりかね)の《和歌童蒙(どうもう)抄》10巻(1135‐55(保延1‐久寿2)の間に成立)などの中には,歌語を集めて意味分類をし,それに解釈を加えた部分が含まれている。
[鎌倉・室町時代]
 平安時代の辞書の影響を受けながら,多くの辞書が新しく編まれた。…

※「和歌童蒙抄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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