歌病(読み)カビョウ

デジタル大辞泉 「歌病」の意味・読み・例文・類語

か‐びょう〔‐ビヤウ〕【歌病】

歌のやまい

か‐へい【歌病】

歌のやまい

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関連語 名詞 実例 初出

精選版 日本国語大辞典 「歌病」の意味・読み・例文・類語

か‐びょう‥ビャウ【歌病】

  1. 〘 名詞 〙 歌の修辞的欠陥。歌の評価基準を設定するために、中国詩病の考えをとり入れ、四病、七病、八病などといった。かへい。うたのやまい
    1. [初出の実例]「歌病略有七種、一者頭尾、二者胸尾、三者腰尾、四者黶子、五者遊風、六者同音韻、七者遍身」(出典歌経標式(772))

か‐へい【歌病】

  1. 〘 名詞 〙かびょう(歌病)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「歌病」の意味・わかりやすい解説

歌病
うたのやまい

歌学用語。「かびょう」「かへい」ともいう。和歌の修辞上の欠点をさす。『歌経標式』に7病,『喜撰式』に4病,『孫姫 (ひこひめ) 式』に8病をあげている。同音の重複に関するものが多いが,同語の反復,歌語や比喩適不適,音数の過不足などにも及んでいる。本来は和歌の評価の規準を求める必要から中国の詩学でいう詩病を採用したもので,和歌の現実にそぐわない点が多かったが,次第に和歌の実情に即した面もみられるようになった。しかし,形式的な煩雑さは避けがたく,歌合 (うたあわせ) の批評の場以外にはそれほど浸透せず,藤原俊成が積極的に排斥したのちは,歌学で観念的な知識として継承されたほかは,ほとんど顧みられなくなった。

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世界大百科事典(旧版)内の歌病の言及

【無心所着】より

…各句は連想によってつながるが,全体としては意味をなさない歌。中世の歌論では〈歌病(かへい)〉とされ,順徳院の《八雲御抄(やくもみしよう)》に〈たゞすゞろ事也〉,また〈大かたはざれよめる事やらむ〉などとある。連歌では,心敬の《ささめごと》に〈月やどる水のおもだか鳥屋(とや)もなし〉などを〈無心所着〉の例句として挙げ,〈此姿おほく聞こえ侍り〉と記す。…

※「歌病」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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