唐御所横穴(読み)からのごしよよこあな

日本歴史地名大系 「唐御所横穴」の解説

唐御所横穴
からのごしよよこあな

[現在地名]馬頭町和見

那珂川東岸の凝灰岩丘陵の南斜面に掘込まれた古墳時代末期の横穴墓和見わみ横穴群の一つで、国指定史跡。国道二九三号の東に南北に延びる丘陵の西斜面から南斜面にかけて横穴墓が群在。西側の北向田きたむかだ横穴群、南側の和見横穴群とに分けられる。しかし分布状況は連続しており一つの群集墓として考えてよいもので、北向田横穴群は現在斜面の上半部に二十数基、和見横穴群には二一基が確認されているが、未確認の横穴もあると思われ、全体では五〇基以上になると考えられる。このうち和見支群に属する当横穴は、他の横穴と構造が異なり精巧に造られ、前庭部・羨道部・玄室がほぼ原形を保っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「唐御所横穴」の解説

からのごしょよこあな【唐御所横穴】


栃木県那須郡那珂川(なかがわ)町和見(わみ)の那珂川東岸の凝灰岩丘陵の南斜面に掘り込まれた古墳時代末期の横穴墓。南北に延びる丘陵の西斜面から南斜面にかけては数多くの横穴があり、分布上、西側の北向田(きたむかだ)群と南側の和見群に分けることができる。唐御所横穴は和見群のなかでも最も高所に位置し、7世紀代の築造と推定される。長さ約2.75mの玄室の天井は切り妻屋根に似せて造られ、棟木が造り出されるほか、3つの棺台が設けられているなど、その精巧さは他の横穴とは異なっている。墓穴研究のうえで重要とされ、1934年(昭和9)に国の史跡に指定。他の横穴とともに見学用の道が造られ、休憩用の施設や説明板も設置されている。JR烏山線烏山駅から車で約30分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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