唐泊浦(読み)からとまりうら

日本歴史地名大系 「唐泊浦」の解説

唐泊浦
からとまりうら

[現在地名]西区宮浦

宮浦みやのうら村内唐泊村に設定された浦分、宮浦の北方にある。「万葉集」巻一五などに詠まれる「韓亭」、「和名抄」記載の志麻しま韓良からかぬち郷は当地に比定される。韓泊浦、唐泊村とも記され(別本「続風土記附録」)、元禄国絵図には宮浦村のうち唐泊村とある。慶長一〇年(一六〇五)八月二五日の黒田長政掟書(新訂黒田家譜)に唐泊とみえ、当初は宮浦も当浦庄屋が統轄した。唐泊は南に向かって開け、北側は蛭子えびす(夷崎)が東に張出しているため、玄界灘の風波を避ける良港であった。寛永(一六二四―四四)頃福岡藩二代藩主黒田忠之の桜井さくらい(現志摩町)参拝のために小浜こはまに波止が整備され(糸島郡誌)、一七世紀後半には蛭子崎下の辰ヶ磯に波止が築かれたが、その後崩壊。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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