善仁寺(読み)ぜんにんじ

日本歴史地名大系 「善仁寺」の解説

善仁寺
ぜんにんじ

[現在地名]文京区小日向一丁目

神田上水の北岸に位置する。鶴高山(小日向山とも)と号し、浄土真宗本願寺派。正応三年(一二九〇)に当地の領主であった鶴高善仁(法名了宗)が、本願寺覚如の関東下向の際に開創したと伝えるが(寺社備考)、年代に矛盾がある。当寺はかつて「小日向太子領」にあてて、境内二町四方ならびに山林竹木を寄付する内容の天正一五年(一五八七)と推定される寄進状(寺社備考)を伝えていた。


善仁寺
ぜんにんじ

[現在地名]文京区小石川四丁目

石川山と号し、真宗大谷派。寺伝では安和年中(九六八―九七〇)の開創で、古くは真言寺院であったが、関東遊化中の親鸞に帰依した賢微が改宗して中興したという。当寺には中世にさかのぼる遺品は伝えられていないが、永正一四年(一五一七)の奥書がある聖徳太子伝絵(慶応義塾大学図書館蔵)に「武州豊島郡小石川善仁寺」とあり、太子信仰を重視する関東系真宗教団に属していたと推定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android