朝日日本歴史人物事典 「善住坊」の解説
善住坊
生年:生年不詳
戦国時代の鉄砲の名手。地名を冠し杉谷善住坊とも呼ばれている。杉谷は近江国杉谷とする説,伊賀国杉谷とする説があるが,三重県三重郡菰野町に杉谷があり,伊勢国杉谷説も提起されている。経歴などは不詳で,元亀1(1570)年5月,越前から京に逃げ戻った織田信長が岐阜城に戻ろうとしたところを,千草山中で狙撃したが失敗した。六角承禎(義賢)に頼まれたものという。のち近江国高島郡に潜伏しているところを信長に降った磯野員昌に捕らえられ,岐阜城下で立て埋みにされた上で,鋸引きの刑によって殺された。<参考文献>太田牛一『信長公記』
(小和田哲男)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報