(読み)しゃべり

精選版 日本国語大辞典 「喋」の意味・読み・例文・類語

しゃべり【喋】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「しゃべる(喋)」の連用形の名詞化 )
  2. 口に出して話すこと。口数多く言うこと。また、その人。おしゃべり。
    1. [初出の実例]「こちの人の吃とわたしがしゃべりと、入合せたらよい比な、めをとが一組出来ませふァ」(出典:浄瑠璃・傾城反魂香(1708頃)上)
  3. しゃべりあい(喋間)
    1. [初出の実例]「間をつくるに作法あり、間のうたひなきは、しゃべりなり」(出典:わらんべ草(1660)一)
  4. 歌舞伎の演出またはせりふの一様式。郭話軽口でしゃべりまくること。また、特に近松門左衛門作「嫗山姥(こもちやまんば)」二段目の八重桐廓噺通称に用いる。
    1. [初出の実例]「此の天神の矢場をはじめ子守っ子から茶屋女、とんだしゃべりの浄瑠璃だが」(出典:歌舞伎・盲長屋梅加賀鳶(1886)二幕)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「喋」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 12画

[字音] チョウテフ
[字訓] しゃべる

[字形] 形声
声符は(よう)。に蝶・牒(ちよう)の声がある。〔玉〕に「語するなり」とあって、淀みなく話す意。〔史記、匈奴伝〕に「喋喋(てんてん)」とあり、多言のさまをいう。喋盟は血をすすって誓う意で血盟(ちよう)に仮借することがある。

[訓義]
1. しゃべる、よくしゃべる、多口、利口
2. すする、血をすする。
3. 血が流れるさま。
4. と通じ、ふむ。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕喋 フクム・フクメリ

[語系]
喋thyap、tzapは声義近く、喋血血。またdyapは同声。は葉のひらひらするさまをいう。

[熟語]
喋聒・喋血喋呷喋囁・喋喋・喋盟
[下接語]
嚥喋・喋・囁喋・繁喋

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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