(読み)ころう

精選版 日本国語大辞典 「嘖」の意味・読み・例文・類語

ころ・う ころふ【嘖】

〘他ハ四〙 声をあげてしかる。しかりつける。叱責(しっせき)する。
書紀(720)神武即位前戊午年八月(北野本室町時代訓)「時に、道臣命、審(つまひらか)に、賊害(あたなふ)之心有ることを知りて、大きに怒り誥(たけ)び嘖(コロヒ)て曰はく」
[補注]上代特有の語であり、しかも用例はごく限られている。動詞「こる(嘖)」の未然形助動詞「ふ」のついた「こらふ」の転じた語かといわれているが、なお検討の余地がある。

こ・る【嘖】

〘他ラ四〙 叱責する。しかる。
万葉(8C後)一四・三五一九「汝が母に己良(コラ)れ吾(あ)は行く青雲のいで来吾妹子逢ひ見て行かむ」
[補注]活用一例しかないためはっきりしない。受身の助動詞「る」の付いたものとみて四段活用としたが、「己良例(コラレ)」までを一語とみて、ラ行下二段活用とする説もある。

こら・る【嘖】

〘自ラ下二〙 ⇒こる(嘖)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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