中国、浙江(せっこう/チョーチヤン)省寧波(ニンポー)西方にあって、天台山から北東方に連なる山一帯をいう。日月星辰(せいしん)に光を通ずる義から四明山とよばれる。寧波の古称明州(めいしゅう)も山名にちなむ。山中には雪竇(せっちょう)山資聖(ししょう)寺、天童(てんどう)山景徳(けいとく)寺、阿育王山(あいくおうさん)寺など有名な仏寺があるが、道教でもこの山は第九洞天と称して尊ぶ。10世紀末、阿育王山寺義寂(ぎじゃく)に天台を受けた知礼(ちれい)は明州延慶(えんけい)寺に住して山家(さんげ)派と称し、山外(さんがい)派の梵天慶昭(ぼんてんけいしょう)、孤山智円(こざんちえん)を論破して四明尊者といわれ、以後の中国天台宗教学は四明派で覆われるに至る。わが国の比叡(ひえい)山頂を四明ヶ岳(しめいがたけ)と称するのはこの山名にちなむ。
[里道徳雄]
…明・清には,王守仁(陽明),朱舜水,黄宗羲など浙東学派の指導者を輩出した。南の四明山は名勝の地として有名で,また市の東,余姚江沿いに長江(揚子江)下流域で最も古い新石器時代文化層を有する河姆渡(かぼと)遺跡がある。【秋山 元秀】。…
※「四明山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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