改訂新版 世界大百科事典 「四条畷」の意味・わかりやすい解説
四条畷[市] (しじょうなわて)
大阪府北東部の市。1970年市制。人口5万7554(2010)。市域は東部が生駒山地,西部が沖積低地からなる。歴史は古く,山麓部の岡山遺跡からは縄文時代の遺物が発見されている。かつて集落は東高野街道や,大和と河内を東西に結ぶ清滝街道に沿って分布していた。山麓から沖積低地にかけて米作中心の農業が営まれ,低地部では水郷景観がみられた。山麓斜面では水車を利用して製粉などが行われた。1895年浪速鉄道会社が大阪市の片町と四条畷を結ぶ鉄道(現,JR片町線)の営業を開始し,第2次大戦後,沿線に金網,ボールベアリング,ボルト,ナット製造などの小零細な工場が進出した。1969年の片町線複線化や大阪外環状線,国道163号線の整備により急速に住宅地化が進んだ。生駒山地西斜面の清滝川流域では大規模な採石,採土が行われている。市域東部は金剛生駒国定公園の一部で,南北朝時代に楠木正行と高師直が戦った四条畷古戦場や正行をまつる四条畷神社などがある。
執筆者:秋山 道雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報