国分寺(香川県)(読み)こくぶんじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「国分寺(香川県)」の意味・わかりやすい解説

国分寺(香川県)
こくぶんじ

香川県中北部、綾歌郡(あやうたぐん)にあった旧町名(国分寺町(ちょう))。現在は高松市(たかまつし)の北西部を占める一地区。1955年(昭和30)端岡(はしおか)、山内の2村が合併、町制施行して成立。2006年(平成18)高松市に編入。JR予讃(よさん)線、国道11号、32号が通じ、高松自動車道の高松西インターチェンジも近い。国分台(五色(ごしき)台)をはじめとする山地と本津(ほんづ)川の形成した低地からなる。奈良時代に讃岐国国分寺が開かれて以来、政治、文化の中心として栄える。水稲のほか、施設園芸としてのイチゴ、ブドウ花卉(かき)などの栽培が盛んである。また、国内有数の盆栽生産地である。とくに錦松(にしきまつ)発祥の地として知られ、北部地区には盆栽畑が広がる。近年高松市街近郊の住宅地として発展し、人口増加は著しい。国分寺は四国八十八か所第80番札所で、境内には金堂や塔の礎石が残り特別史跡に指定されている。ほかに国分尼寺跡(国指定史跡)、第82番札所根香(ねごろ)寺の奥の院鷲峰(じゅうぶ)寺など文化財も多い。

新見 治]


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