日本大百科全書(ニッポニカ) 「国師ヶ岳」の意味・わかりやすい解説
国師ヶ岳
こくしがたけ
国師岳ともいう。山梨県山梨市三富(みとみ)地区と長野県南佐久郡川上村(かわかみむら)の境界にある山。標高2592メートル。山名は恵林(えりん)寺を創立した夢窓国師(むそうこくし)に由来する。この山の南に位置する北奥千丈岳(標高2601メートル、秩父(ちちぶ)山地の最高峰)とともに原生林に覆われている。山体は花崗閃緑(かこうせんりょく)岩ないし黒雲母(くろうんも)花崗岩からなる壮年期の山地で、深い渓谷が足下から流下している。雲取山からの縦走路のほか、峰越(みねこし)林道を経て大弛(おおだるみ)峠までは山梨・長野の両県側から入れる。しかし、秩父のよさを味わうためには、石楠花(しゃくなげ)新道、天狗(てんぐ)尾根、あるいは岩屋林道などを利用するのもよい。
[吉村 稔]