国目付け(読み)くにめつけ

精選版 日本国語大辞典 「国目付け」の意味・読み・例文・類語

くに‐めつけ【国目付・国目附】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 江戸時代大名が幼少のうち江戸家督をつぎ、まだ、領国に帰っていないときなど、国政監視のため幕府からその領国に派遣される役人
  3. 江戸幕府職名一つ。三年ごとに諸国に派遣して事績、民情などを監察した役。

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改訂新版 世界大百科事典 「国目付け」の意味・わかりやすい解説

国目付 (くにめつけ)

大名の領国に赴きその施政を監察した江戸幕府の役人。慶長・元和期にその原型がみえ,寛永期に定型化された。すなわち使番と両番(書院番,小性組)から1名ずつ任命され,大名が幼少で家督を相続したばかりの大藩を中心に派遣された。その任務は,発遣のさい国目付に渡された下知状によると,〈国中仕置〉の〈善悪之儀〉を内々に調査して報告することとされ,内政干渉は禁じられていた。両人は数ヵ月任地に滞在し,〈家中分限帳〉や〈国絵図〉などを作成・提出させたり,領内を巡見,その査察査問を通じて,対象藩の実情把握につとめた。この期間,藩から各人の知行高に応じた合力米を支給されていた。なおこれとは別に,寛永期から延宝期にかけて〈国目付〉あるいは〈国廻目付〉と称する幕府常置の役職があった。側衆の配下で約20名,御目見(おめみえ)以下の者である。各地に出張し,監察業務にたずさわったが,天和期に至って消滅した。
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世界大百科事典(旧版)内の国目付けの言及

【使番】より

…若年寄の支配に属し,役高は1000石,格は布衣,詰所は菊之間南御襖際。平時には,将軍の代替りごとに諸国を巡回して大名の治績動静を視察し(諸国巡見使),あるいは幼少の大大名のもとへ多く赴任し,その後見監督に当たり(国目付),あるいは城の受渡しのときにその場に臨んで監督するなど,すべて幕府の上使を務めた。また二条,大坂,駿府,甲府などの要地にも目付として出張し,遠国役人の能否を監察した。…

※「国目付け」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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