国策の基準(読み)こくさくのきじゅん

山川 日本史小辞典 改訂新版 「国策の基準」の解説

国策の基準
こくさくのきじゅん

1936年(昭和11)8月7日に広田内閣の五相会議で決定された基本的な外交戦略方針。同年6月,陸軍は対ソ戦を,海軍は対米戦を第一として帝国国防方針・用兵綱領を改訂した。こうした陸海軍の戦略構想に対応して策定されたもので,南進北進を折衷的にのべ,そのための軍備拡張・庶政一新の必要をうたった。第2次大戦後の極東国際軍事裁判では,日本の南進決意がはじめて国策として一致をみた文書であるとみなされた。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の国策の基準の言及

【東亜新秩序】より

…東亜新秩序構想の萌芽は,〈帝国指導の下に日満支三国の提携共助〉の実現を決めた1933年10月21日の斎藤実内閣の閣議決定にあった。それは満州事変勃発前後の〈日満ブロック〉構想を一歩進め,〈日満支ブロック〉の実現を国策として決定したものであり,36年8月7日の広田弘毅内閣下の5相会議決定〈国策の基準〉に受け継がれた。37年7月7日に勃発した日中戦争は,日本の予想に反して長期戦となり,38年1月16日近衛文麿首相は,〈爾後国民政府を対手とせず〉,日本は〈新興支那政権の成立発展を期待する〉との声明(第1次近衛声明)を発し,国民政府との和平交渉の道をみずから閉ざした。…

※「国策の基準」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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