日本歴史地名大系 「園洲」の解説 園洲ぎおんのす 鹿児島県:鹿児島市鹿児島城下上方限清水馬場町園洲[現在地名]鹿児島市清水町上(かん)町を蛇行して流れる稲荷(いなり)川浚渫の土砂を利用した埋立地。天保期(一八三〇―四四)稲荷川河口の北岸岐にある祇園社(現八坂神社)の前の祇園の浜から鹿児島八景の一つに数えられる田之浦(たのうら)辺りが埋立てられたもの。地名は多賀(たが)山の麓にある祇園社に由来。稲荷川河口を少し遡上した戸柱(とばしら)は中世島津氏の湊で、鹿児島城(鶴丸城)が居城となるまでは琉球・道之島航路の係船場となっていた(鹿児島県史)。琉球入記(旧記雑録)の頭注に「昔 御城下御船手ハ、上祇園ノ洲川尻にて」とあり、慶長一四年(一六〇九)の琉球侵攻時も当地から平田氏などが出航している。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by