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土文 どもん

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世界大百科事典 第2版の解説

どもん【土文】

粘土を型押しした文様片を仏像の表面に貼り付けて,植物,輪宝などの文様を浮彫風にあらわす装飾技法。鎌倉時代後期から南北朝時代の鎌倉地方の作品にしばしば例があり,当地方に独特の技法と考えられる。中国宋代の作品に類似した技法を示すものがあり,そこに源流を求める説がある。1299年(正安1)作の神奈川浄光明寺阿弥陀如来像,東慶寺聖観音像などがその例である。【副島 弘道】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

土文
どもん

「土紋」とも書く。神奈川県鎌倉地方所在の仏像に特有の衣の装飾文様。粘土や白土に膠(にかわ)を加えたものを型で押して文様をつくり、これを乾燥しないうちに仏像の衣の部分の凹凸によくなじむように漆で張り付けたもので、鎌倉末期に盛行した。その文様は花や葉、輪宝文など素朴で立体感に富むものが多く、大きさは像により一定ではない。この上に彩色を加えると、ちょうど仏像の衣に刺しゅうを施したように盛り上がった文様がつく。この技法は京都など当時の中央にはなく、これに先行する中国(宋(そう))渡来の盛上げ彩色(胡粉(ごふん)で文様を盛り上げたもの)は京都に2、3の作例があることから考えて、宋から輸入された技法が中央では盛上げ彩色として残り、鎌倉地方では土文に変化したものとみられる。土が材料だけに素朴で、盛上げ彩色のような細かいものはつくられていない。東慶寺の聖観音(しょうかんのん)像、宝戒寺歓喜天(かんぎてん)像、浄光明寺阿弥陀(あみだ)三尊像など南北朝・室町時代の像に例がみられる。[佐藤昭夫]

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