土馬(読み)どば

改訂新版 世界大百科事典 「土馬」の意味・わかりやすい解説

土馬 (どば)

日本で出土する土製の馬形。考古学上,4回の大きな変遷が確かめられる。5~6世紀前半の6cm前後の小型馬形,7世紀代の21cm前後の大型鞍装馬形,8世紀代の12cm前後の中型無装馬形,8世紀末葉の6cm前後の小型無装馬形であり,各期ごとに断絶し新様式として登場する。1・2期の馬形は全国的に分布し,地域色もあり個性的であり,広範な馬形信仰に基づく分布を示す。これに対し,3・4期の馬形は平城京,長岡京,平安京や各地の官衙に集中し,規格・形態もほぼ統一されており,朝廷の創出した祭式に用いられるものであることを示している。馬は外来の乗騎として貴人,神の用にあてられ,その脚力の速いこともあり漢神(からかみ)や行疫神乗物と見られた。流行病や長雨,旱天の終結を祈るに際して土馬を捧げ,またその脚や身を損じて猛威を止めることを願っているのである。1・2期は各地の漢人系祝部の指導,3・4期は朝廷の陰陽寮(おんみようりよう)や漢(あや)・文(ふみ)氏の指導で大祓(おおはらえ)の用に供されたと思われる。
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