精選版 日本国語大辞典「本物」の解説
ほん‐もの【本物】
〘名〙
[一] ほんとうの物。
① 実物。にせものでない、まさしくその物。
※雑俳・柳多留‐四(1769)「本ものに成ったと雨戸二枚あけ」
② ほんとうのこと。事実。真実。
※桐一葉(1894‐95)〈坪内逍遙〉四「細工料が倍ましなら、いっそ真恋(ホンモノ)にしてのきょもの」
③ 本格的であること。技芸などで素人の域を超えていること。
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉三「三味線に乗りゃ本物だ」
[二] ⇒ほんもつ(本物)
ほん‐もつ【本物】
〘名〙
① もとの物。本来の物。
※万葉(8C後)一八・四一二八右詞文「凡貿二易本物一其罪不レ軽正
倍
宜二急并満一」


② 売買の代価、あるいは売価に相当する他の物品。また、もときん。元金。本直物(ほんじきもつ)。〔高野山文書‐文永八年(1271)一二月六日・入寺寛俊田地売券〕
③ =ぞうぶつ(贓物)
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